レコード鑑賞 Sport/1102006年06月01日

The Four Sonics / It Takes Two c/w You Don't Have To Say You Love Me (Sport/110)

昨日のドラマチックスに続いてスポート・レーベルのレコードを聴いてみようとしましたが、このレーベルもレアな盤が多くて、結局、この1枚のみでした。但し、このフォー・ソニックスの盤は都内のレコード店でも、とてもよく見かけるごくありふれたレコードです。正直内容に関してはアップとバラードという位の記憶しかなく、久々に聴いてみました。

'It Takes Two' (R. Scott - N. Watson作) は、ファンキーなアップ・テンポのナンバー。ヴォーカルのベース担当の声が随所に現れ、ノベルティー・ソングっぽくもあります。

'You Don't Have To Say You Love Me' は、ダスティー・スプリングフィールドがヒットさせた、イタリー系のポップ・ソング。ここではファルセットのヴォーカルがフィーチャーされて、スイートに迫ってきます。

両面聴くと売れ線をベタに狙ったレコードといった印象を受けずにはいられません。作り手の安易と必死な両方の気持ちを、時代を超えて感じさせてくれる、私にとってはそんな1枚。

両面共にShelly Haimesプロデュース。このレコードのクレジットにはジョー・ハンター、ジャック・アシュフォード両名ともあらわれませんが、フォー・ソニックスにはジャック・アシュフォードが絡んだレコードがあるので、次はそれを聴いてみたいと思います。

レコード鑑賞 Triple'B'/00022006年06月02日

The Four Sonics / Where Are You c/w Blue Velvet (Triple'B'/0002)

'Where Are You' (J. Ashford - L. Chandler - J. Dixon作) は、アップ・テンポのナンバー。マイナー調のメロディーにリードに絡み付くようなリード・ギターが哀愁を漂わせ、乾いた声質とやや力を抜いた歌い方のリード・ヴォーカルが、哀愁感に拍車をかけてくれます。エル・アンソニーのラ・シンディー盤のようなサウンド、と日本語で書いて、膝を打って頂ける方、或は異議を唱えて頂ける方は何人いらっしゃるでしょうか? そんなサウンド(?)なので、60年代ファンの私が聴くとクロス・オーヴァー気味に聴こえます。地味なメロディーで聴き所が無さそうなのですが、ギター、ベース、ドラム、そしてジャック・アシュフォードのタンバリンがアクセントとなるバックと、ヴォーカル・ワーク共にパターンを色々変えたりしていて、じっくり聴くと意外と面白い。

'Blue Velvet' (B. Wayne - L. Morris作)は、ポップ・バラード・ナンバー。

両面共にLorraine Chandlerプロデュース。

レコード鑑賞 Sepia/12006年06月03日

The Four Sonics _ Plus One / Tell Me You're Mine c/w Lost Without You (Sepia/1)

フォー・ソニックスと言えばやはりこのレコードかな、と思いながら針を落として聴きました。

'Tell Me You're Mine' (J. Ashford - A. Terry作、Jack Ashfordアレンジ) は、ミッド〜アップ・テンポのナンバー。クールなコーラス、ファルセットとバリトンが交互にあらわれるリードのヴォーカル・ワークが、格調高く且つキャッチーなメロディーに乗って心地よく響いてきます。そして、バックは紛れもないデトロイト・サウンド。その中でジャック・アシュフォードのタンバリンの小刻みなプレイがかなりフィーチャーされてクリアーに聴こえます。ドラムもキックよりスティックさばきがよく聴こえ、ヴォーカルもファルセットを多用していることから、腰高なサウンドに感じます。ムーディーなのに軽い、面白いサウンド。

'Lost Without You' (T. Ransazzo - G. Barberis作) は、ポップ・バラード・ナンバー。このグループの手持ちの3枚聴いてきた訳ですが、ソウル・サイドの反対面は必ず、ポップ・バラードが収録されていることに今更ながら気付きました。当時の彼らのショーでは、やはりこういったバラード・ナンバーを披露していたのかなあ、需要もあったのかなあ、と勝手な思いを抱きつつ聴いておりました。

両面共にエグゼクティヴ・プロデューサー=Lorrraine Chandler。A Justプロダクション。

レコード鑑賞 RCA/47-88102006年06月04日

Lorraine Chandler / Tell Me You're Mine c/w What Can I Do (RCA/47-8810)

'Tell Me You're Mine' は、フォー・ソニックスと同じ曲ですが、バック・トラックは異なります。地を這う様なベース・ラインとキックの強いドラムのリズム隊、ジャック・アシュフォードのパーカッションも2拍目だけに聴こえますが、デトロイト特有の軋むようなエフェクトが掛かり、リズムを引き締めながらも、ゆったりとした(テンポは意外と早いですが)印象を与えるものです。ホーンも炸裂。要は絵に描いたような60年代デトロイト・サウンドなのですが、そんなバックを従えてロレイン嬢が余裕シャクシャクでクリアー且つフラットな歌声を聴かせてくれます。リズム感、音程もばっちりで、聴いていて本当に気持ちよくなります。フォー・ソニックスのと聴き比べると、フォー・ソニックスのヴァージョンの軽さ、柔らかさと、ロレイン嬢のヴァージョンの重さ、硬さは、対極にある感じです。T.P.O.によってどちらも聴きますが、個人的にはロレイン嬢の強いサウンドに惹かれます。いずれにしてもエレガントな名曲であることは間違いないですね。

'What Can I Do' は、3連ビートのミッド〜アップ・テンポのナンバー。こちらもヘヴィーなサウンドですが、やはり、曲良し歌良しで、素晴らしい内容。ダブルサイダーですね。

両面共にAshford - Terry作、アレンジ。Pied Piper Productionプロデュース。

レコード鑑賞 Kapp/KL-15252006年06月05日

The Hesitasions / She Won't Come Back ~from LP "Soul Superman" (Kapp/KL-1525)

このナンバー、シングル・カットもされていますが、シングルは手持ちがないのでLPで聴いてみました。何故ワザワザ引っ張りだしたかと言えば、タイトル、歌詞は異なりますが、曲はここ二日間聴いてきたナンバー='Tell Me You're Mine' と同じだから。ヴォーカルは実力の高さを十二分に感じさせる内容。サウンドはフォー・ソニックスほどライト&ソフトでなく、ロレイン嬢ほどヘヴィー&ハードでもない、と言ったところ。中途半端と言った印象は無く、バランスの良さを感じさせます。

Lewis - Ashford作、Pied Piper - GWPプロダクション。パイド・パイパー・プロダクションの音はとにかくクリアーで気持ち良い。